今回ご紹介する絵本は『おたすけこびと』です。
たくさんのこびとたちが、意外な方法でおかあさんをお助けします。
どんな方法でお助けするのでしょう?さっそくご紹介します。
基本情報
・文:なかがわ ちひろ
・絵:コヨセ・ジュンジ
・対象年齢:3歳〜
・ページ数:38ページ
・読み聞かせ時間:1分半程度
『おたすけこびと』の内容・あらすじ
おたすけこびとのリーダーらしき人がお母さんから依頼を受けます。
それから、お仕事開始!
こびとたちがいっせいに走り出します。
おたすけこびとたちみんなヘルメットを装着済。というのも、彼らが向かう先にはたくさんの重機が並んでいます。
そう、こびとたちは重機を使ってお助けするのです。
重機はどれもかなり本格的なものばかり。ショベルカーにクレーン車、ダンプカーにミキサー車などなどなどなど。
こびとたちは器用に重機を操ってお母さんに頼まれたものを作り上げていきます。
重機を使っていますが、依頼品はビルや家などの建物でも、道路や橋なんかでもありません。
白くって、上に赤いものがのっていて、誕生日に欠かせないもの…。
できあがったら、掃除をすませてこびとたちは退散です。
でも、やっぱり自分たちの作ったものが気になるのか、窓の外からそっとお母さんたちの様子をのぞきみ。
今回のお助けは大成功だったようです。
この絵本のいいとこ
ファンタジーっぽいタイトルだけど中身はジューキーズの話
こびとってファンタジーの世界の住人ですよね。
そんなファンタジックな存在のこびとたちが、リアル世界の“現場”で大活躍する重機を操るそのアンバランスさが、この絵本の面白いとこです。
しかも、その重機たちが、かなり細かく描かれています。ジューキーズ(重機たち)って男の子に人気のあるジャンルの1つですよね。なので、この作品はジューキーズ好きのお子さんにもおすすめです。
また、ほとんどのページが見開きで1つの絵になっていて、その中にたくさんのこびとと、重機が登場するので、全体的なスケールの大きさを感じることができます。ただ、こびとのお話なので実際のスケールはたぶん普通ですが…。
とにかく、かなりたっぷりとジューキーズたちが活躍してくれますので、重機ファンも満足すること間違いなしです。
転ぶこびとを探せ
こびとたちはとてもたくさん登場します。
どのこびともよく似てはいるのですが、よく見てみると、割とみんな個性があります。髪型もいろいろだったり、性別もいろいろだったり、細かく描かれています。
そんなこびとたちを見ていると楽しいのですが、よーくよーく見ていると、どのページにも転んでいるこびとがいることに気がつきました。
何気なく子どもと見ているときに、「あー転んでる」と1人目の転んだこびとを見つけました。そして次のページにも「またー」、その次のページにも「またー」と子どもは見つける度にテンションが上って笑いながら見つけていきました。しかけ絵本というほどではないですが、こういう遊び心が絵本の中にはたくさんあって、それを見つけると子どもたちのテンションは一気にあがります。そして、テンションの上がった子どもを見ると、こっちの(親の)テンションも上がりますよね。やっぱり絵本はそうやって子どもの反応を見ながら楽しく読めるのがいいかなと思います。
まとめ
『おたすけこびと」はファンタジックさとリアルさを兼ね備えた、とても楽しい絵本です。
この絵本は、文字が少ないことも特徴の1つです。文字が少ない絵本は読み聞かせをするのはとっても楽ですよね。言葉は少ないですが、こびとたちの働きを見ていると、すぐに終わっちゃうなんてこともないと思います。文字が少ないけど、読み聞かせの時間がすぐに終わらない絵本…読み聞かせにはなかなかおすすめの1冊です。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。
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