『うずらちゃんのかくれんぼ』は結構本気のかくれんぼ。

今回ご紹介する絵本は『うずらちゃんのかくれんぼ』です。

この絵本はうちの子が好きな絵本のうちの1冊でした。2歳ぐらいの頃かなりの頻度で読んでいました。(読んでと言っていました。)

私は一応大人なので、こういうかくれんぼ系の絵本というのは、1度読んだらどこに隠れているのかすぐにわかってしまって、あきてしまうんじゃないかと思っていましたが、子どもはそうではないんだなと、この絵本を一緒に読んでいて思いました。

では、そんなあきないかくれんぼをご紹介してきます。

基本情報

・作者:きもと ももこ
・対象年齢:2歳〜
・ページ数:32ページ
・読み聞かせ時間:2分半程度

目次

『うずらちゃんのかくれんぼ』の内容・あらすじ

主人公はもちろん「うずらちゃん」ですが、それだけではかくれんぼはできませんので、相棒がいます。相棒は「ひよこちゃん」です。(ちなみに私はひよこちゃん派です。色がとってもいいんです。)

その2匹がかくれんぼをして遊ぶことにします。

先行はうずらちゃん。かなり上手く隠れます。ひよこちゃんなかなか見つけられません。ところが、とあるハプニングで見つかってしまいます。

今度はひよこちゃんの番。こちらも負けていません!とっても上手に隠れます。(というより、もうそのものといっても過言ではありません。)これは見つからないと思っていたら、こちらもハプニングで見つかってしまいます。

それからもかくれんぼを続けているうちに、だんだんと天気が悪くなって、2匹は帰れなくなってしまいます。

悲しくなった2人の前に大きな2つの影が…。
そして、その影たちが「みーつけた!」
うずらちゃんもひよこちゃんもその声を聞いて笑顔になりました。
2つの影は誰だったのでしょうか?答えは絵本で確認してみてください。

この絵本のいいとこ

かくれんぼの精度

内容のところにも書きましたが、このかくれんぼ、かなりハイレベルな争いです。
うずらちゃんもひよこちゃんも、小さいながらも自分の特徴や特性をしっかりと理解しています。
なので、2匹ともかなり上手く隠れます。

対象年齢が2歳〜だからといってあなどってはいけません。もちろんしっかり見ればすぐにわかりますが、本当に上手く風景に溶け込むように描かれています。
次の項目で書くこととも関係しますが、うずらちゃんとひよこちゃんの形や色がとてもよく考えられていると思います。この2匹のデザインがあってこそ、この高度なかくれんぼが成立するんですから。

色と形

この絵本は色と形に特徴があります。

色でいうと、とても色が鮮やかです。全体的に割とはっきりとした色合いで、濃いめの色が多いように思います。花も草も雨も、もちろんひよこちゃんもうずらちゃんもはっきりとした色で彩られています。
特に緑はかなり濃く、雨が降るシーンは、最初は少し怖いと感じるお子さんもいるかもしれません。おそらく、あえて、雨も草木の緑も濃くすることで、不安な感じを表現しようとしているのだと思います。
そして、そこからだんだんと不安が消えて明るくなっていく空の色。色彩が上手く使われています。

形は全体的にむにゅっとしてます。
うずらちゃんとひよこちゃんむにゅっとした形をしているのですが、とにかく、曲線が多いです。
花も草も葉っぱも雲もむにゅっとしているんです。それが、かくれんぼにとても役に立つのですが、それだけではなく、まるっこい感じが見ている子どもたちに安心感とか優しさというものを与えるのかなーとあくまで推測ですが、感じたりします。

絵本をいろいろ見ていると、総じて絵本は曲線が多いように思いますが、この作品はそんな絵本の中でも曲線を多用し、強調して表現されています。そして、それが、この絵本の魅力に繋がっているのだと思います。

かくれんぼがなんだかわかる

最後に当たり前のことを書きますが、これを読むと“かくれんぼ”がどういう遊びなのかがわかるようになります。
誰かが隠れて、その隠れた人を探す遊び…それが“かくれんぼ”
当たり前ですが、こういうこともどこかで誰かから、あるいは何かから1つずつ知っていかないといけないんですよね。

もし子どもに「かくれんぼってなに?」と聞かれたら迷わずこの絵本を読ませましょう。すぐにわかると思います。かくれんぼの「もういいかい」「まあだだよ」という決り文句とともに。

まとめ

かくれんぼ系絵本のこの作品ですが、子どもにとっては、どこに隠れているのかわかっていても面白い。というよりも、わかっているけど、それをまた見つけることが面白い。ようです(たぶん)。
だからうちの子も何度読んでも「いたー」と声を出して笑っていました。

私はもうすでに完全に大人になりきってしまっているので、小さい子どもの考える?感じる?何かをつかむ?というような感覚はわからなくなっています。なので、推測するしかありませんが、何度も読んでと言ってくる絵本には、何かしら子どもをひきつける物がひそんでいるんだと思います。そのひそんでいるものを、こうしてブログで言葉にすることで、発見できたり、またお伝えできたりできればいいなあと思っております。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。

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