『カメレオンのかきごおりや』であなたは何色のかきごおりを食べますか?

今回ご紹介する絵本は『カメレオンのかきごおりや』です。

私が個人的に好きな谷口智則さんの作品です。

谷口さんの作品は、「これうちの子、読んでも、意味わかるかな?」
と思うくらいちょっと考えされられる内容のものが多いんです。でも、だからこそ、大人が読んでも面白い絵本だと思います。別に、大人が絵本を楽しんでもいいんです!

子どもに読ませるからという名目で、実は私が楽しむために買っている絵本がいくつもあります。
そして、この 『カメレオンのかきごおりや』もそのうちの1冊です。

今回も少し大人な内容になっていますので、全力でご紹介していきます。

基本情報

・作者:谷口 智則
・対象年齢:3歳〜
・ページ数:32ページ
・読み聞かせ時間:3分半

目次

『カメレオンのかきごおりや』の内容・あらすじ

世界を旅するかき氷屋のカメレオン。店の自慢は世界中であつめた色とりどりのシロップです。

そのシロップはまるで魔法のシロップ。
元気のないサルくんに黄色い“たいようかきごおり”をつくってあげると、サルくんはまたたく間に元気を取り戻します。
汗をかきかきやってきたシロクマくんには青い“うみかぜかきごおり”、眠れないコアラさんにはむらさきの“よあけのかきごおり”をつくってあげます。カメレオンのつくったかき氷を食べると、みんなお悩み解決!いい気分になっていきます。

そんな素敵なかき氷屋のカメレオンですが、自分の悩みはなかなか解決できません。

「ぼくっていったいなにいろいなんだい?」

月夜にカメレオンはそう月に問いかけます。

冬のあいだ、かき氷屋はお休みです。そのあいだにカメレオンはお店で使う氷を取りに北の北の寒い国にでかけていきます。
透明度の高い氷を取る作業をしているあいだに、カメレオンも透明になっていきます。
無色になったカメレオンは「こおりくんきみはいったいなにいろなんだい?」と氷にそして、自分につぶやきます。

そのとき。

カメレオンの体に色が浮き上がります。(理由はひみつです。)
そして、カメレオンは気づきます。自分は何色にでもなれるということを。そして、自信を取り戻します。

もし、自分に自信を失っている人がいたら、ぜひこの絵本を読んで『カメレオンのかきごおりや』へ行ってみてください。


この絵本のいいとこ

絵がいい

これは単に好みの問題ですが、絵がとてもすてきなんです。

どう表現したらいいのかわからないのですが、他の絵本にはない少しくすんだ感じ、というのか影のある感じというのか、とにかく独特の暗さのある絵です。

明るい絵本の多い中で、少し暗い印象のこの絵本は子どもには少しとっつきにくいかもしれませんが、この本の内容というより、谷口さんの作風にはとても合っているように思います。人間の少し深いところを描いていて、少し考えさせられる、そんなときに全体的なトーンの暗さは、作品への没入感へとつながるように思います。

あ、とはいえ、別に暗い絵本というわけではないですので、あしからず。絵本の中には愛らしいキャラクターと、たくさんの鮮やかな色がつまっています。

大人なストーリーがいい

あらすじでも書いたように、この作品はちょっと大人向けのものです。もちろんお子さんでも楽しめますが、幼いお子さんにはちょっと理解しづらいかもしれません。
ですが、子どもは年齢が上がるとともに、幼児向けの絵本や単純な内容のものから卒業して、次の段階の絵本へと進んでいきます。(うちの子もそうです。)そして、子どもは成長しながら理解する範囲をどんどん広げていきます。今はあんまりこの作品を理解していないうちの子も、そのうちこの作品をきちんと理解できる日がくるかもしれない(してほしい…)。

成長するにつれて、少しずつ絵本に対する感じ方が変わっていく。そんな成長を感じることができる絵本なのかもしれませんし、なってほしいなと思う1冊です。

まとめ

『カメレオンのかきごおりや』は大人も子どもも楽しめる絵本です。もちろん、大人の感じ方と子どもの感じ方はまったく違うかもしれませんが、違っていいと思います。読み聞かせを通して、その考えの違いについて話してみるのも面白いと思いますし、子どもが大きくなるにつれてこの絵本に対する感想の変化を聞いてみるのも面白いかなと思います。

絵本は子どものためのものかもしれませんが、面白いものは大人が読んでもやっぱり面白いんです。忙しくてなかなか本が読めないという人も多いと思いますが、たまには絵本を読んでみるのはいかがでしょう。絵本ならすぐに読み終えることができますし、それに、ちょっと童心に返ることができて楽しいですよ。

興味を持たれた方はぜひAmazonなどで他の方のレビューも参考にしてみてください。最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

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