今回ご紹介する絵本は『でんしゃにのったよ』です。
電車すきな子多いですよね。大人の人ですきな方も多いですが。
私は実は特にすきではないんです。電車というか、乗り物全般にそれほど興味がない人間なのです。
ですが、この本はとてもすきな絵本です。では、どこがいいのかご紹介していきます。
基本情報
・作者:岡本雄司
・対象年齢
○読んであげるなら:3歳〜
○自分で読むなら:小学校初級むき
・ページ数:32ページ
・読み聞かせの時間:3分程度
『でんしゃにのったよ』の内容・あらすじ
このお話は主人公の男の子がお母さんと東京の親戚のところへ電車を乗り継いでいくその道程を描いた、ロードムービー的な作品です。物語はあまり起伏がなく、淡々と進んでいきます。ちょっとだけ盛り上がる場面がありますが(それについてはあとで書きます)、お話としては、本当にシンプルな作品です。
この絵本のいいとこ
とにかく絵がいい!
本の内容を読んでいただいた中には、この本面白くないんじゃない?と思われた方もいらっしゃったかもしれません。もちろん、絵本を物語重視で選んでいる方には、この本は物足りないかもしれせん。ただ、電車ずきでもない私がこの本を気に入ったのは、その絵です。この本をひと目見た瞬間にこの絵がかもしだす雰囲気に魅了されました。どちらかというと「かわいい」感じの絵なのですが、この岡本雄司さんの絵からは“優しさ”や“おだやかさ”というようなものを感じます。この絵は版画で描かれているそうなので、それもこの絵の持つ独特の表情の1つの理由なのかもしれません。
乗り物の絵本ではそのかっこよさや、すごさが強調されるものが多いように思いますが、この本に出てくる電車たちからはかっこよさよりも、やわらかさや不思議な優しさのようなものを感じてしまいます。乗り物が優しいなんて変かもしれませんが、とにかくあたたかみを感じる素敵な絵です!
新幹線がいい!
本の内容のところで書いた、ちょっと盛り上がる場面というのがこの新幹線です。このお話は全体的にのんびりとしたロードムービーのような絵本なのですが、その中に圧倒的スビード感を持ち込んでくるのが新幹線です。それまでがとてもスローだった分、スピード感のある新幹線の登場はそのギャップでかなりのインパクトを持つ場面になっています。ただし、新幹線は速いですが、その中での物語は逆に超スローな感じで、そのギャップもまた面白さの1つだと思います。
まとめ
最初にも書きましたが、電車や乗り物がすきな子は多いですよね。『でんしゃにのったよ』にはたくさん電車がでてきますので、電車すきのお子さんにはとても楽しい絵本だと思います。でも、それだけではなく、ゆっくりと、そしてゆったりとした電車での旅の時間を優しい絵で表現されたこの本は電車がすきではないお子さん、そしてお父さんやお母さんが読むのにもおすすめの1冊です。ぜひ、短いおだやかな旅に一緒に出かけてみてください。
では、最後まで読んでいただいてありがとうございました。興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。