『かばんうりのガラゴ』のガラゴが実在する動物だなんて知らなかった。

今回ご紹介する絵本は『かばんうりのガラゴ』です。

ガラゴって変わった顔をしてるんです。しかも名前も変わってる。
なので、てっきり作者が創造したキャラクターだと思っていたのですが、調べてみたら、いるんですよ。ガラゴって。

知らんかった。ガラゴ。この絵本を読まなければ、おそらくずっと知らなかったであろうガラゴ。
とても不思議な顔を動物ですが、絵本はもっと不思議です。では、ご紹介していきます。

基本情報

・作者:島田ゆか
・対象年齢:記載なし
★うちの子は3歳〜
・ページ数:32ページ
・読み聞かせ時間:8分程度

目次

絵本の内容・あらすじ

主人公のガラゴは旅するかばん屋さんです。

この旅をしながらかばんを売るという設定自体がとても不思議ですが、この絵本の不思議さはこんなものではありません。

最初のお客の子犬はガラゴに「ひとりっこだから きょうだいがほしいの」とお願いします。
かばん屋のガラゴに兄弟がほしいと頼むとはなんて奇妙なことでしょう。
普通のかばん屋なら追い返すところでしょうが、かばん売りのガラゴは一味違います。
自分のかばんから、その子にふさわしいかばんを取り出し、渡してあげるのです。

そのあとも、ライオンらしくないライオンから、ライオンらしく見えるかばんを頼まれたり、
ぞうからいつでもお茶が飲めるかばんを頼まれたりと、不思議なお客さんの不思議な注文に、
ガラゴは摩訶不思議なかばんを渡してあげるのです。

ガラゴの世界は不思議なことばかりです。そもそも、ガラゴのかばんの中に何がどれくらい入っているのか…それも大きな大きな不思議の1つです。

ただ、とにかくこの不思議なかばん屋さんは、お客の注文に何でも答えてくれる、とっても頼りになる、楽しいかばん屋さんです。

この絵本のいいとこ

とにかく不思議・・・だが、それがいい

上にも書きましたが、この作品はとにかく不思議なことだらけです。いや、不思議なことや変わったことしか起こらないといってもいいと思います。最初に子どもと読んでいるときは、子どもは楽しんでいましたが、私は変わった本だなーと内心思っていました。

でも、何度か読んでいるうちに、考え方が少し変わりました。絵本が不思議で何がおかしいんだろうかと。変わった話で何がいけないんだろうと。(別にいけないとまでは思っていませんでしたが。)

ここは、絵本の世界です。その住人は子どもたちで、子どもたちはまだ何の区別もない広大な世界に生きています。もちろん、成長とともにだんだんといろいろなことがわかっていき、世界が少しずつ仕切られていきますが、それでも、十分自由な世界と発想力で世の中を見ていると思います。

そんな子どもたちからしたら、ガラゴが売っているかばんなんて、不思議でも何でもないのかもしれない。と、あるときふっと思いました。いや、気づいてしまいました。俺はもはや限られた狭い世界でしか生きていないつまらない大人なのだ。と。

子どもからしたら、別に小さいかばんからたくさんかばんが出てきてもいいし、かばんが急にベッドになってもいいんです。そこが楽しい世界ならば、入って楽しんでみる。

ガラゴを読んで楽しんでいる子どもを見て、子どもの自由さと、私の不自由さを思い知らされました。そして、そんなことを感じさせたガラゴ。なかなかやり手の商売人です。


かばんうりのガラゴ小型絵本ボックス

しかけがたくさん

しかけがたくさんといっても、この本はしかけ絵本ではありません。
ただ、この絵本の中にはとても小さなおまけ?小ネタ?サイドストーリー?がたくさん描かれているのです。

それが本当にたくさん散りばめられていて、いろいろなところにちらちら見えるので、目移りしてしまうほどです。
子どもは私よりも何度も読んでいるので、いろいろ教えてくれたりしますが、それでも見落としている箇所もあるようで、
「あ、ここにもいる!」と新たに発見することもありました。

何度読み返してもなかなかすべてを読みつくすことができない絵本。本当に細かく作られていると思います。楽しい。

まとめ

いかがだったでしょう。ガラゴ。不思議な不思議なお話ですが、でも、それがいいんです。それでいいんです。絵本なんだから。もし、この本を読まれて私と同じように少し違和感を感じられた方は、既成概念でがんじがらめになっている自分を解き放って、童心に返って読んでみましょう!そして、既成概念に囚われた自分に少しだけショックを受けましょう。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。ガラゴは他にもシリーズが出ていますので、そちらも紹介してきたいと思います。もし、興味をもたれた方は、ぜひ読んでみてください。

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