今回ご紹介する絵本は『めがねうさぎ』です。
タイトルから想像すると、どう考えてもめがねのうさぎがメインの話ですよね。
実際主役はそうなんですが、でも、そうでもないんです。
え?どっちなの?と、疑問に思いますよね?
そんな疑問を解決すべく、さっそくご紹介していきます。
基本情報
・作者:せな けいこ
・対象年齢:3・4・5歳
・ページ数:32ページ
・読み聞かせ時間:5分程度
『めがねうさぎ』の内容・あらすじ
めがねをかけたうさぎがいます。
通称「めがねうさぎ」こと「うさこ」は最近目が悪くなってめがねをかけ始めました。
そして、ある日の夜、寝る前にめがねを外そうとして気づくのです。
「あれ! めがねが ない!」
と。(ありえない!)
そこで、うさこはめがねを探しに昼間遊んだ山にめがねさがしにいくことにします…夜に、真っ暗な山に。(ありえない!)
そこに、この物語のもう1人の主役であるおばけが登場します。
おばけは、うさこのことをおどろかそうとしますが、目の悪いうさこはおばけがよく見えず、怖がる様子がありません。
がっかりしたおばけはうさこのめがねを探してあげることにします。
ちゃんと見て、ちゃんと驚いてほしいという思いで、おばけは一生懸命めがねを探します。
汗だくで山のあちこちを探し、ようやくめがねを見つけたおばけは嬉々としてうさこを驚かそうとします。
そのとき悲劇が…。
うさこもせなさんもちょっとおばけに対してひどいよ。と、私が思った結末はぜひ絵本で確認してみてください。
この絵本のいいとこ
おばけがいいやつすぎる
この作品、とにかくおばけがいいやつなんです。
別におばけの責任でもないのに、汗をかきかき必死でうさこのめがねを探してあげる。
もちろん、それにはおばけなりの考えがあるのですが、それを差し引いても、やっぱりおばけはいいやつです。
そして、当のうさこはおばけが必死で探しているあいだ何をしていたかといえば、笑顔でのんびりしてたんです!
うさこ…。ちょっとぐらい手伝ってあげてよ…。自分のめがねなんだから…。
そんな報われないおばけに私はこの絵本のタイトルを『めがねさがしおばけ』に変えてあげたいくらいです。
まあ、私がそんなこと思ったところで何にもならないですが。
うさこ
この絵本のいいところ、なのかどうかわかりませんが、やっぱりうさこの存在感が目立ちます。
寝る前にめがねを外そうとして、めがねがないことに気づいたり。
(同じめがねをかけている者としては考えられない!)
めがねをなくしたからといって、そのままめがねなしで夜の山に探しにいったり。
(同じめがねをかけている者としては考えられない!)
自分のめがねを必死で探してくれている人の横でのんびりしてみたり。
(同じめがねをかけている者としては考えられない!)
とにかく、かなりすっとぼけた性格のパンチのきいたうさこですが、まあそのうさこだからこそ、
この絵本が成り立つというしかないのかもしれません。
見た目のかわいらしさとは少し違う強烈な個性のインパクトを放つ「うさこ」。好みは分かれるかもしれません。
まとめ
絵本を読んでいると、何かしらの教訓めいたものや、作者の意図というものが読み取れたりすることがあります。
とても簡単にいうと、「人に優しくしよう」とか「いやなことはしないようにしよう」とか「なかよくしよう」とかいうものです。そういうものが、直接言葉にされていることもありますし、何となく感じ取れるという場合もあります。
ただ、正直、この『めがねうさぎ』という絵本はそういったものが読み取れないのです。いや、そもそもそんな教訓じみたものはこの絵本には存在しないのかもしれません。なので、この絵本を読む度に不思議に思います。この本って一体何が言いたいんだろうって。でも、この絵本ずっと読み続けられているんですよね。私なんかにはまだまだわからない奥深さが存在するのかもしれません。
というわけで、こんな絵本に興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
コメント