今回ご紹介する絵本は『おやおや、おやさい』です。
この作品はたくさんの野菜が出てくるお話です。
サイズも小さめで、見た目も少し地味な感じのする絵本ですが、とても面白い絵本です。
うちの子どもは、一時期この本にめちゃくちゃはまって、こればかり読んでいる時がありました。
この本のどんなところがそんなに面白いんでしょう?
それではご紹介していきます。
基本情報
・文:石津ちひろ
・絵:山村浩二
・対象年齢:2〜4歳向き
・ページ数:24ページ
・読み聞かせ時間:1分程度
絵本の内容・あらすじ
この絵本は野菜たちがマラソン大会をするというお話です。
そらまめ そろって マラソンさ
こんな文章でマラソン大会はスタートします。
この文を読んでわかるように、このお話はすべて野菜の名前を入れたちょっとダジャレ風の文で作られています。
このダジャレ風文章がマラソン大会の内容を説明しながら、レースは少しずつゴールへと近づいていきます。
そして、最後にマラソン大会を制する野菜は…。
気になる方は続きを読んでみてください。割と意外な野菜です。
この絵本のいいとこ
言葉が面白い
ダジャレ風文章と書きましたが、完全にダジャレというわけではありません。野菜の名前にちょっとかけたような言葉です。
正直これはかなりむりがあるんじゃないの?という文もいくつかあります。
ただ、実はこの絵本の文のよさはこのダジャレ的な部分だけではありません。もちろん、それも含めてですが、この絵本の文の面白さはそのテンポやリズムの良さにあります。
えのきの あにきは のんきに あるき
この言葉を一体何回口にしたことか!私は特にえのきが大好きなので、それを知って子どもも特によく口にしていました。
こうした簡単な言葉を使った言葉遊び的な文章は、そのリズムやテンポから、まだ文字が読めない子どもでも覚えて諳んじることができるので、読み聞かせのときに、子どもも一緒に読むことができてとても楽しくなります。みなさんもお気に入りの野菜フレーズを覚えてみてください。
野菜をおぼえる
当たり前なんですが、この絵本にはたくさんの野菜が登場します。
そして、野菜の名前を使った文章が作られているので、子どもが自然と野菜の名前を覚えるようになります。
つまり、子どもの野菜の勉強になるとてもいい絵本です。
しかも、何度も読んでいるうちに、文の中に使われていない、ただ周りに描かれているだけの野菜たちにもだんだん目が行くようになり、「これはなんて名前の野菜?」と子どもの方から聞いてくるようになります。
それにより、子どもの知識がさらにアップし、中には、大人の私でも知らない野菜がいて、それを急いで調べたりして、私の野菜の知識もアップ!何とまあいいことだらけです。
言葉を覚えるようになった子どもは吸収力がすごく、何に対しても興味があるので、こうした絵本を使ってどんどん語彙を増やしていくと子どもも面白がっていい効果があるように思います。
野菜がリアル
この絵本、実は野菜がかなりリアルに描かれています。文章はちょっとふざけた内容で、野菜たちの表情もかなりかわいい感じなのですが、野菜の部分だけはしっかり野菜!
正直言いますと、私、最初はリアルな野菜の絵に落書きをしたような感じの絵をちょっと苦手に感じていました。ただ、何回も読んでるうちに見慣れてしまって、今では何ともなくなりました。
なので、もしかすると絵に対して私と同じような印象を持つ人もいるかもしれませんが、まあ慣れるので大丈夫です。それに、その野菜がリアルだからこそ、何の野菜なのかを子どもがしっかりと認識できるようになったので、結構大事な要素かなと思います。
まとめ
うちの子が『おやおや、おやさい』を熱心に読んでいた時期から子どもも成長しましたが、いまだにスーパーなどでこの絵本に出てきた野菜を見ると、そのページの文を口ずさんだりして、「あの野菜だよね」と話したりしています。
少し幼い感じの絵本なので、読む回数は成長とともに減りましたが、記憶の中にしっかりと野菜の名前とともに刻み込まれているようです。そうして、体の中に染み込んでいく絵本というのもいいですよね。
もし、興味をもたれた方は、ぜひお子さんと一緒に読んで野菜の名前を覚えていってください。ちなみに、内容のところでも書きましたが、ダジャレ風な文章ですが、一応ストーリーはありますので、そちらも楽しんでください。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
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