『退屈をあげる』というのは本のタイトルです。この本は絵と短い文からなる本で、絵本のところで紹介してもいいのですが、少し毛色の違う本なので、別で紹介することにしました。とってもいい本です。
作者:坂本 千明
本の中身
これはある猫のお話です。ある猫がある家に来て、そしてその家で生き、そして死んでいく話。猫を飼ったことのある人ならば、誰もが経験する、そんな当たり前のような当たり前じゃないような日常を、猫の視点を通して、描いたお話です。
この本と猫のいいとこ
私も猫を飼っていてます。今の子は2匹目。1匹目の子は、19年生きて、死んでしまいました。今の子は前の子と全然違う性格で、前の子がとても大人しくて手がかからなかったのに、今の子は暴れまわったり、噛みついたりと私の猫のイメージを180度変えてくれた猫です。
この本に出てくる猫はどちからというと、私の今飼っている猫に近い性格ですが、でも前の子にも近いような感じがします。やっぱり猫というものは、どんなに性格が違っていても猫独特のクールさとか、気高さ、みたいなものがあって、猫を飼っている人がこの本を読めば、何かしら自分の猫との共通点みたいなものを感じるのではないかと思います。そして、それが、猫すきな人が猫をすきなところなのかもしれません。
この本は少し悲しいお話です。でも、すごく悲しいわけではありません。いや、すごく悲しいんですけど、すごく悲しいだけではありません。猫が死ぬことは当たり前です。人間もそうです。だから、当たり前のことを描いているだけなんです。猫らしくとても淡々と、飄々と。
猫と絵本がすきな人にはぜひ読んでほしい1冊です。でも、読んだからといって、何か学びがあるわけでも、得るものがあるわけではないのでご注意を。そんな類の本ではありません。ただ、猫を飼っている人は、もうちょっと猫との時間を大切にしようかなーと思うかもしれません。