今回ご紹介する絵本は『つばきレストラン』です。
福音館書店の「ちいさなかがくのとも」シリーズの1冊が、幼児絵本「ふしぎなたね」のシリーズとして出版されたものです。
「ちいさなかがくのとも」には面白い作品がたくさんあるのですが、もう買えないものが多いのが残念なところです。
そんな中で、『つばきレストラン』はハードカバーの絵本として再び日の目を見ることになった絵本です。
では、どんな絵本なのか見ていきましょう。
基本情報
・作者:おおぐろ まり
・対象年齢
○読んであげるなら:3歳〜
○自分で読むなら:小学低学年〜
・ページ数:24ページ
・読み聞かせ時間:2分程度
『つばきレストラン』の内容・あらすじ
つばきレストランは、植物の椿(つばき)をめぐるお話です。
つばきは冬に花を咲かせます。そして、真っ赤に咲いたその花のみつを小鳥たちがのみにきます。
つばきレストランとは、このことで、絵本の中にはたくさんの鳥のお客さんが次から次へと、レストランに来る様子が描かれています。
そして、最後にきたお客さんはとっても大きなお客さんでした。その正体は…続きは絵本でご覧ください。
この絵本のいいとこ
絵がきれい
上の絵をみていただいてわかるように、この絵本、絵がとってもきれいです。
きれいなだけではなく、もともとは「かがくのとも」というシリーズの絵本ということもあって、
つばきの様子や鳥たちの細部がきちんと描かれています。
写実的という感じではないですが、あたたかみのありながらも花や鳥のことを子どもたちに伝えようと描かれた絵本だということが感じ取れます。
また、季節が少しずつ移り変わっていく様子も読み取れて、「自然」というものを自然に読み取れるいい作品だと思います。
とにかくつばきの花がわかるようになる…だけじゃない
私は大人ですが、あまり花に興味がない人間です。
そういう人間なので、道に咲いている花などにもあまり目をやることがありません。
しかし、子どもは感受性と好奇心の塊です。
ですから、つばきレストランを読んでからは、つばきが咲いていると「あ、つばきレストラン!」と言うようになりました。
それを聞いた私の方が「ああ、ほんとだ」とそこにつばきが咲いていたことを教えてもらう始末です。
つばきの前を通るたびに「つばきレストラン開店です」「今日はつばきレストラン開いてるかな?」などと言い、子どものつばきに対する目はこの絵本を読む前とあとでは明らかに変わりました。
「つばき」という植物がわかったことはもちろんですが、それだけではなく、絵本をきっかけにして、本物の植物の世界へと入っていく。そういうことも絵本は担っているんだなと改めて感じました。
まとめ
実は私はこの絵本を最初に見たときは、「ちょっと地味な本だなー」と思っていました。
ところが、子どもの方はわりと気に入って何度も何度も読んでいました。
そして、上にも書いたように、そのつばきを実際の世界で見たときから、『つばきレストラン』はより具体性をもって、読むことができるようになったと思います。(あくまでも推測です。)ちなみに対象年齢は「3歳〜」ですが、うちの子は2歳ぐらいからこの本を読み出して、4歳になろうとしている今でもちょこちょこ読んでいます。
今は動画が山のようにあふれているので、つばきの花のみつを鳥が吸っている映像なんかはすぐに見つかると思うのですが、やはり、子どもにとって絵と言葉の世界と現実の世界がつながっていく、あるいはつながりを持たせていくことは、私は専門家ではないのでわかりませんが、でも、大切なことなんじゃないかなと思っているので、動画もやっぱり見せますが、絵本も読ませていきたいなと思っています。今のところは子どもも絵本好きなので、無理強いはしていませんが、まあこのまま好きでいてほしいなーと思っています。
と、全然まとめにならなかったのですが、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。興味を持たれた方はぜひお子様と読んでみてください。
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